――しかし、取締役会で決めたことを反故にされたわけですよね。「バカらしくてやっていられるか」と、社長続投を拒否する考えはなかったのですか。

当然、選択肢としてはあった。ただ、2010年の設立時からこの会社で働いてきて上場会社になり、多くの社員たちがいる。各地で店舗を運営してくれているFC企業も150社を超える。そういった責任ある立場を考えると、今は引き続き社長として責任を果たすべきで、ここで投げ出すのは違うかなと。

業績をまず向上させていく

――では社長として、これから会社のガバナンスをどうやって正常化させていくつもりですか。

株主総会後、新しく3人の社外取が就任された。まだ名前や経歴ぐらいしか存じ上げないが、3人がどういった方々で、どのような振る舞いをされるのかで話は変ってくる。

提案株主の意向を忖度するのか、それとも、確固たる信念を持って是々非々で判断されるのか。私としては、後者であることを願っている。ただ、そればかり気にしていては良い仕事もできないので、社員の方を向いて働いていきたい。

――今回の騒動が表面化した5月以降、ガバナンス問題が嫌気されて株価は2割以上も下落しました。毀損した企業価値の回復も社長に課せられた大きな課題です。

株価という点では、業績をあげることが何より大事だ。2022年3月に店舗数が全国で1000店を突破したが、それでも新店での会員獲得は順調だ。首都圏、地方のいずれもまだまだ多くの出店が可能で、会社の成長余地は大きいと思う。

当社の成功を見て同じようなマシン特化型の24時間ジムがたくさん現れたが、この市場を創出したエニタイムのブランド力は高く、今も4割の圧倒的なシェアをキープしながら独走している。コロナ影響も薄れてきて、FCの出店意欲も再び強まってきた。さらなる業績の拡大で企業価値を上げるべく、社長として目の前の仕事をしっかりやっていく。

著者:渡辺 清治,梅垣 勇人