6月末に立て続けに行われた欧州連合(EU)首脳会議、先進国(G7)首脳会議、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、西側諸国はウクライナに軍事侵攻したロシアへの対決姿勢を鮮明にした。

EUはウクライナの加盟候補国への格上げを支持し、G7は対ロシア制裁措置の継続を確認、NATOはロシアを最も重大かつ直接的脅威に認定した。さらに対ロシア防衛態勢の強化を打ち出し、フィンランドとスウェーデンの加盟承認プロセスに入ることも決めた。

ロシアのプーチン大統領の反感を買う方針を強く打ち出したことで、西側諸国は今後、ロシアを東西冷戦後、パートナー国とした扱いを完全に改めると同時に、自由と民主主義の価値観を共有する西側諸国とその同盟国の結束を世界にアピールした。その背後に、アメリカのバイデン大統領のリーダーシップがあったことは間違いない。

各国の首脳が抱える内政問題

しかし、NATO首脳会議後、自国に戻る各国首脳の足取りは軽いとは言えない。理由は各首脳が抱える内政問題が足を引っ張っているからだ。民主主義の国では外交は政府の専権事項とされる場合が多く、首脳は威勢のいい発言もできる。G7では、イギリスのジョンソン首相らが、上半身裸でマッチョな姿を披露するプーチン氏に負けないよう、自分たちも同じことをすべき、とジョークを言い合う場面があった。

しかし、ジョンソン氏自身は新型コロナウイルスの感染予防対策措置を無視して、イギリス政府内でパーティーをくり返したことで批判され、出身政党の保守党内では党首にふさわしくないとの意見もあり、党首の資格を問う選挙が実施されれば、首相の座を追われる可能性も出ている。