中国の国有三大航空会社である中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空は7月1日、欧州の航空機製造大手のエアバスと大型購入契約を結んだと、それぞれ発表した。3社の購入機数は合計292機、カタログ価格ベースの総額は約372億5700万ドル(約5兆807億円)に上る。

3社が今回発注したのは、すべてエアバスの短距離路線向け主力機種「A320neoシリーズ」だ。内訳は国際航空が96機、東方航空が100機、南方航空が96機となっている。機体の納入は2024年から始まり、2027年に完了する予定だ。

航空会社が航空機メーカーから多数の機材を購入する場合、実際の契約価格はカタログ価格から大幅に割り引かれるのが通例だ。「新型コロナウイルスの影響で世界中の航空会社が機材増強を見合わせるなか、このタイミングでの交渉を通じて、三大航空会社はより大きなディスカウントを引き出せたのではないか」。ある業界関係者はそう推察する。

ボーイングは4年半余り大型受注なし

中国の航空会社による大型購入契約は、前回は3年余り前の2019年3月だった。習近平国家主席のフランス訪問に合わせて、国内航空会社の集中購買を手がける中国航空器材集団が300機の購入契約をエアバスと結んだ。

一方、エアバスのライバルであるアメリカのボーイングは、中国の航空会社からの大型受注を久しく獲得できていない。4年半余り前の2017年11月、ドナルド・トランプ前大統領の中国訪問時に、中国航空器材集団と300機の購入契約を結んだのが最後になっている。

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背景には、その後の米中外交関係の悪化に加えて、ボーイングの主力機種「B737MAXシリーズ」の2度にわたる墜落事故の影響がある。中国の航空安全当局は同型機の飛行再開を現在も許可しておらず、新規受注がストップしている状況だ。その他の機種に関しても、ボーイングは少数の追加受注にとどまっている。

(財新記者:黄栄)
※原文の配信は7月1日

著者:財新 Biz&Tech