日産「アリア」とトヨタ「bZ4X」/スバル「ソルテラ」は、日本の自動車メーカーが新規に開発し、今年発売した電気自動車(BEV)というだけでなく、DセグメントのSUVであることも共通している。

フロントにモーターを横置きした前輪駆動(FF)と、リアにもモーターを搭載したAWDが用意され、バッテリーを前後輪の間の床下に薄く敷き詰めたプラットフォームを使うことも似ている。

しかし、デザインは明確に異なっている。

今年の春に3台を相次いで試乗して、走り以上にその違いを実感した。そこでデザインを見ながら、3台の目指すところを考えていく。

まずは、ボディサイズから。アリアが全長4595mm×全幅1850mm×全高1665mmなのに対し、bZ4X/ソルテラは4690×1860×1650mm。幅と高さは、それぞれわずか10mm/15mmの違いだが、長さは95mmもbZ4X/ソルテラが上回る。

「bZ4X/ソルテラ」よりも全長が短い「アリア」(写真:日産自動車)

全長はもちろんプロポーションも異なる(写真:SUBARU)

ホイールベースもアリアは2775mmだが、bZ4X/ソルテラは2850mmと75mm長い。真横からの眺めでは、bZ4X/ソルテラのほうがノーズは長く、前輪とキャビンの間も離れている。つまり。エンジン車のプロポーションに近い。

対照的にアリアは、モーターがエンジンより小さいというBEVの特徴を生かした、モノスペース風フォルムである。こちらのほうが、BEVらしさが明確だし、新しさもあると感じた。

鋭角的なラインを多用してダイナミックさを強調したbZ4X/ソルテラに対し、アリアはキャラクターラインを最小限にとどめ、面の張りなどで躍動感を表現したところも対照的。

最近のトヨタ/スバルと日産のデザインの方向性の違いが、そのまま反映されていると感じた。

後者のような考え方は、ホンダやマツダをはじめ、多くの自動車ブランドが採用する現在のトレンドで、そこを基準とするとbZ4X/ソルテラはビジーに見えるが、日本にはこのようなデザインを好む人が多いことも実感している。

bZ4X/ソルテラでも大きく違う

bZ4Xとソルテラで大きく違うのはフロントマスクで、ソルテラがほかのスバルにも使われるホリゾンタル(六角形)グリル風の枠を据えたのに対し、bZ4Xはグリルレスとしている。

BEVらしさを強調するグリルレスデザイン(写真:トヨタ自動車)

アリアはほかの日産車が起用するVモーショングリル風の造形を取り入れているので、ここではソルテラとアリアのほうが近い。そういえば、トヨタグループではレクサスブランドも、bZ4X/ソルテラとプラットフォームを共用する「RZ」を5月に発表している。