それで何をしたかというと、別のテキストを探しに行きました。とはいっても、当時はネット書店などありませんでしたし、シンガポールの書店では、日本語のテキストなど置いていませんでした。しかたがないのでまずは英語の本を買いに行くことにしたのです。

とはいえ、一応海外にいましたが、英語のテキストでいきなり勉強するというのは初めての経験だったので、かなり不安いっぱいで読みはじめたのです。ところが、予想に反してわかりがよかったのです。実はそのとき選んだ本は名著のテキストで、結果的にとても良い本を選んでいたことがあとでわかりました。

でも、必ずしも初心者向けではないし、何より英語でしたから、最初に学習するのに、すすめられるような本ではなかったのです。でも、それが自分には合っていた。もし最初の1冊だけ読んで、「経済学はわからない」と思ってしまっていたら、今の私はいなかったんだろうと思います。

なかなか理解できないならテキストを替えよう

だから、1冊読んだだけで、つまらないとか、わからないといった結論を出してしまって、意味なく自信をなくしたり、自分はだめだと思ったりするというのは、とてももったいない話だと思います。

大教室の授業ではカリキュラムもテキストも自分で選ぶことは難しいですが、独学の場合は、いくらでも自分の理解のパターンに合う参考書を探す自由があります。読んでもなかなか理解できない場合には、テキストをどんどん替えてみましょう。

こうしたことを繰り返していくと、徐々に「自分はこういう説明をされると納得できる」という自分の理解のパターンもわかってきます。そこまでくれば、勉強のコツがつかめたといってよいでしょう。

理解のスピードやパターンは人それぞれだという前提で勉強すれば、無用な劣等感に陥ることもありません。また、独学をはじめるにあたって、そういうことを認識しておけば、同じ試行錯誤であっても、先行きの見通しがかなり違ってくるはずです。