ロシアのウクライナ侵攻から5カ月が経ちました。残念ながらまだ出口は見えませんが、今後の国際情勢を考えるにあたり、今回のロシア・ウクライナ紛争は多くのことを教えてくれています。

「軍事」についてはすでに多くの分析がありますので、今回は筆者が注目している「経済制裁の効果」を取り上げ、さらに「中国の台湾侵攻への影響」を考えてみたいと思います。

対ロシア経済制裁は目的達成できず

「経済制裁」とは、輸出入規制、金融取引の停止・制限、国や個人の資産差し押さえ、などによって、相手国に経済的なダメージを与え、自国の目的を達成しようとするものです。

今回、ウクライナに軍事侵攻したロシアに対し、アメリカをはじめとする西側諸国は次々に「経済制裁」を課しました。具体的にはロシア産原油・ガスの輸入禁止、ハイテク製品・部品の輸出禁止、政府高官の在外資産差し押さえなどです。

こうした経済制裁を受け、ロシア国内では半導体が輸入できず自動車生産が大幅に落ち込み、また、過去に西側企業が建設したパイプラインなどのインフラ設備が、補修部品の差し止めから操業停止を余儀なくされるといった影響がでています。ロシア政府も2022年は9%前後のマイナス成長を見込んでいます。

しかし、これらの経済制裁とその影響は、プーチン大統領の意識と行動を変えさせるまでには至っていません。侵攻後に急落したルーブルは、早くも3月中旬に底を打ち、4月には侵攻前の水準を回復しました。このことは、ロシア経済の高い耐久力を示しています。

制裁効果は今後出てくるとの見方もありますが、少なくとも、当初想定されていたほどの効果が出ていないことは間違いありません。では、その原因は何でしょうか。