米中ロの3国の指導者のうち、中国の習近平は今秋の共産党大会で総書記の3期目入りが決まり、2027年まではその座にとどまるだろう。ロシアのプーチンは、情報統制を含む強権体制下にあり、反政府の大規模な大衆運動やクーデターが起きる状況ではない。2024年3月の大統領選挙では事実上、無風当選の可能性が強く、健康の悪化や不測の事態でも起きない限り、権力の座から降りることは想定しにくい。

トランプの影響力なお

では、アメリカはどうか。2024年11月の大統領選挙で、民主、共和両党の誰が正式な大統領候補になるか、そして2025年1月に誰が大統領として宣誓を行うのか、予測がつかない。

2022年の中間選挙で民主党が大敗し、上下両院で共和党が多数派となる可能性は高いとみたほうがよい。そうなると、バイデン政権は政策を実現することが極めて難しくなり、やがてレイムダック化しよう。バイデンが大統領として史上最高齢であることから民主党内部からも交代説が出ており、さらに、同党内の穏健派と左派の確執が続けば、候補一本化は容易ではない。大統領選も共和党有利と言うべきかもしれない。米中ロの3国を考えると、トップリーダーは中ロが続投し、アメリカはそうならない可能性がかなりあるということだ。

では、共和党で誰が有力候補なのか。現段階では依然、トランプ前大統領であろう。2020年の大統領選挙は「盗まれた」との主張を繰り返し、陣営が起こした数々の裁判でことごとく敗北し、2021年1月6日の議会襲撃事件を扇動したと言われながら、共和党の多くからなお支持を受けている。反トランプ派と目される共和党議員ですら、2024年大統領選で、トランプが候補指名を勝ち取る可能性が高いことを認めている。

同事件に関する下院特別委員会が司法省にトランプ訴追を求めても、正式に訴追されるかどうか、また訴追され裁判となっても有罪に持ち込めるかどうかも不透明だ。最高裁判事の構成は、トランプが指名した3名を含む保守派6対リベラル派3という構成である。

仮にトランプが出馬しなくても、その人気を背景に、自分の息のかかった候補の擁立とその指名獲得に全力を挙げることだろう。トランプにとって政治的影響力の低下は絶対に避けなければならない。でないと、党内外の批判勢力が勢いを増すことは確実で、自身や家族を巡る訴訟などで不利な展開になることも予想されるからである。