猛暑、大雨が繰り返し、日本の気候は数年前には考えられなかったほど変動している。世界を見渡しても欧州や北米など多くの国が、異常気象に苦しんでいる。

気候変動の理由の1つに挙げられるのが二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの増加による地球温暖化である。よく知られているように、鉄道の輸送量当たりのCO2排出量は自動車や航空の5分の1程度である。そのため、ほかの交通モードと比較してCO2排出量が少ない鉄道が環境にやさしい乗り物として注目されている。

とはいえ、都会では多くの電車が行き交い、その使用電力はかなりの量に及ぶはずだ。日本全体を見渡せば、客がほとんど乗っていないディーゼル列車が排ガスを撒き散らしながら走っている地域もある。鉄道自体が大量のCO2を排出していることは間違いない。

もちろん、鉄道各社はCO2排出量の削減に取り組んでいる。では、現在の鉄道各社のCO2排出量は、産業界全体においてどのような位置にあるのか。鉄道各社のCO2排出量を各社別で比べるとどうなのか。各種のデータを使いながら調べてみた。

日本のCO2排出、2割は「運輸部門」

やや古いデータになるが、2015年度における大手電力10社の大口電力使用者を業種別に見ると鉄道の占める割合は6.7%だった。機械(26.3%)、鉄鋼(13.3%)、化学(9.8%)、食料品(6.9%)に次いで多い。ただ、これは大口電力に限った電力使用量であり、家庭用なども含めた販売電力全体に占める鉄道の比率は2.1%に下がる。

では、ガソリンも含めたすべてのエネルギー消費量に占める鉄道の位置付けはどうなっているのだろうか。上記のデータは大口需要にかぎっていたが、今度は家庭用なども含めて見ていく。資源エネルギー庁の調査によれば、2020年度の国内最終エネルギー消費量を部門ごとに見ると、もっとも消費しているのは企業・事業所他で全体の61.9%を占めるが、次いで多いのは運輸部門で全体の22.2%。家庭部門が15.7%だった。