東京23区の東部に位置する街、錦糸町。古くから物流の拠点として整備されたが、長らく「東京有数の歓楽街」というイメージが定着していた。

しかし、近年になってその印象が変わりつつある。2019年には、南口にある東京楽天地のビルに若者向けの店舗が多数出店する「パルコ」が進出。北口は1990年代から国鉄用地だった広大な土地を再開発し、整理された街並みが広がる。

若者が集まる街に変貌しつつある錦糸町を、実際に歩いてみた。

商業施設が密集する南口周辺

東京メトロ半蔵門線の錦糸町駅に降り立ち、まずは南口を散策してみることにした。JR錦糸町駅は、1番出口を出てロータリーの横断歩道を渡るとすぐ。周囲を見ると、老若男女が喧騒の中を足早に歩いている。

南口には、先述の錦糸町パルコや丸井錦糸町店といった大型商業施設がひしめく。また、駅ビル「テルミナ」にはヨドバシカメラや食料品店などが出店している。

これらの施設は、実は鉄道と関係が深い。江戸時代から武家屋敷街として発展してきた錦糸町に総武鉄道(現在の総武本線)が通ったのは、1894年のこと。錦糸町駅を中心に発展していく市街地の需要に応えるように、1917年に城東電気軌道が錦糸町―小松川間に路面電車を開通させた。現在の丸井錦糸町店は、都電錦糸堀車庫の跡地である。

丸井の裏へ向かうと、駅前の喧騒が嘘のように人通りが減った。周囲はアジアン系の飲食店やスナックがひしめき、多くの人がイメージする「錦糸町らしさ」を最も感じられるエリアへと入っていく。