2022年度から大きく変わった日本の公的年金。最大のポイントは、受給開始年齢の延長です。受給開始を遅らせると、最大84%も年金が増やせることに。もうすぐ60歳、年金の受け取り時期は“何歳まで生きるつもり”で決めればいいのか。『会社も役所も銀行もまともに教えてくれない 定年後ずっと困らないお金の話』の著者でもあるファイナンシャルプランナーの頼藤太希氏が、老後貧乏にならないための「人生の大選択」について解説します。

“減額”地獄で老後が不安……変わる年金事情

日本の公的年金には、大きく分けて国民年金と厚生年金の2つがあります。国民年金は、20歳から60歳までのすべての人が加入する年金です。原則として、20〜60歳までの40年間にわたって所定の国民年金保険料を支払えば、誰もが満額受け取れます。

2022年度の国民年金の満額は(0.4%の引き下げで)年額77万7800円です。保険料の納付月数が40年に足りないと、受け取れる金額も減少します。たとえば保険料納付月数が30年間(360か月)であれば、年金は満額の4分の3となります。なお、満額で受け取れる年金額は年ごとに改定されます。

対する厚生年金は、会社員や公務員が勤務先を通じて加入する年金。会社員・公務員の方は、毎月の給料から国民年金・厚生年金の保険料を天引きで支払っています。そうすることで、老後には国民年金と厚生年金の両方を受け取れます。

個人事業主やフリーランスなどの方は厚生年金に加入していませんので、国民年金のみとなります。ちなみに、会社を設立して起業した場合には、たとえ自分ひとりの会社であっても厚生年金(社会保険)に加入します。

厚生年金の受給額は、加入期間中の給与や賞与の金額も踏まえて計算されます。基本的に、長く加入するほど、給与や賞与の金額が多いほど、年金額が多くなります。

次の表は、23歳から厚生年金に加入した場合に受け取れる年金額(国民年金+厚生年金)の合計額(年額)を示した概算表です。なお、国民年金は2022年度の満額、厚生年金は65歳時点での受給額を表しています。