理化学研究所の発表の少し前、2020年12月上旬には韓国製の立体マスクが上陸している。形状は3D型とか柳葉型、あるいはダイヤモンド型などと呼ばれる、3段構造のものだったのだが、これは見た目は不織布製だが実態は通常の不織布よりはるかに高機能のナノファイバー製。医療レベルだったので1枚250円とかなり高額だった。

価格が下がって一気に普及

医食同源ドットコムは、この2カ月前に普通の不織布マスクにきれいな色を付けたカラーマスクを発売し、大ヒットしていたためか、立体型マスクにも順次色を追加。6月頃から盛んにメディアで取り上げられるようになって人気に火がついた。

ここで下のグラフをご覧いただきたい。使い捨て立体型マスクについて、販売金額と1枚あたりの単価の相関性を検証すべく、時系列で集計してみた。

2020年春のコロナ初期の頃の価格は供給不足による異常値として、マスク全体に供給が追い付き始めた2020年6月からしばらくは1枚30円台後半という状態が続いている。

その後年末に向けて50円近くまで上昇、年が明けて2021年1月になるといったん30円近辺まで下落。4月末頃まで続いたあと、5月初旬から上昇が始まり、40円台後半が定着した。11月頃からゆるやかに下落が始まり、直近の2022年6月27日週は36円である。

2021年1月の価格下落は、呼吸がしやすいとされるウレタンマスクがダメ出しを食らったため、ファッション性に劣る既存の低価格の立体マスクの需要が増えたためだろう。

4月以降にファッション性の高い高額品が登場して人気を博した結果、5月に入ると価格が上昇。秋口頃からは立体型の供給元が増え、低価格品も増加した結果、立体型の価格が手ごろになってきたことで、販売数量も右肩上がりになったということだろう。

ユニチャームも医食同源ドットコムも、自社ECサイトで購入しようとすれば、今も価格は発売当時と変わらないが、ドラッグストアでなら30枚入りが1000円ちょっと(1枚あたり33〜35円前後)で手に入る。

柳葉型のものも、中国産の無名のメーカーのものなら40枚入りで1000円ちょっとという価格で売っている。猛暑を迎え、この夏は冷感効果を謳うものが多数発売されている。コロナ襲来がなければ今も多くのマスクは平面型の不織布のままだったことは間違いないだろう。