そしてAmazonが次に狙っているのが一般家庭のDX化です。スマホで開錠できるAmazon Key(注:日本ではKey for Businessとして集合住宅向けに展開中)に交換してもらい、2018年に買収した見守りカメラのRingで家の中の安全を確認できるようにする。

家の中の家電はスマートスピーカーのアレクサ(Alexa)でコントロールしてもらう。2021年にテスト販売を始めたペットロボットのようなAstro(注:Amazonでは「用途を決めずに開発した」と発表)が家の中を歩き回り、大邸宅の場合はセキュリティをAmazon製の室内ドローンが担当するといった具合にさまざまな商品による家庭用DXラインナップを拡充しています。

このAstroというロボットはSONYのaiboのようなペット目的と、家庭で飼われている犬の古来からの役割である番犬の役割を果たすように進化する方向にあるように推察されるのですが、その開発が苦戦していたという情報が入ってきていました。

そこでルンバがAmazonの戦略上、必要になってきたのではないかというのが私の推理です。ちなみにAmazonは秘密主義で有名な企業なので、その戦略意図についてはどうしても推理が入り込まざるをえない点はあらかじめ読者の皆様にもご了承いただきたいと思います。

ルンバは軍事技術がルーツ

そのルンバですが、もともとは軍事技術が元になって生まれた高度なロボットです。日本人はそもそも軍事技術については関心が低いかもしれません。一般的に言えば、一般家庭に入っている民生機器よりも企業のオフィスや倉庫、工場などで使われる産業機器のほうが高い信頼性が必要とされるものですが、軍事技術はその産業機器よりもさらに一段高い信頼性が必要とされます。逆に言えば軍で使われている製品は民生用機器よりもはるかに優秀なものです。

ルンバの場合は戦場での地雷探知ロボットの技術が転用されています。自律的に家の中を走り回りながら、家の地図を隅々まで自動作成する性能を持ったロボットがルンバです。そしてこれはAmazonがどうしても欲しい技術のひとつなのです。