日本では、ほとんど見かけなくなったコンパクトセダン。手頃な価格とサイズが魅力的な5ナンバーサイズが姿を消しつつある。とくに近年の国産車は大型化が顕著で、大衆車として進化してきたトヨタ「カローラ」も2018年に3ナンバー化を図っている。そんな日本で見かけなくなったコンパクトセダンだが、東南アジアのタイに目を向けると、その状況は大きく異なる。

6月29日〜7月3日にタイ・バンコク近郊にあるインパクト・チャレンジャーホールで開催された「バンコク・インターナショナル・オートサロン2022(以下、バンコクオートサロン)」の会場を見渡すと、日本車メーカーのブースにはコンパクトカーやコンパクトセダンが多く展示されているのだ。さらに街中を見てもトヨタやホンダのコンパクトセダンを多く見かける。

しかし、タイを元気に走る日本メーカーのコンパクトセダンを観察すると、なぜか日本国内では販売されていない日本未発売モデルばかり。そこで今回は、バンコクオートサロンに展示されていた日本未発売のコンパクトセダンを中心に、なぜタイでは人気なのかを調査した。同様に日本未発売モデルのピックアップトラック&SUVについては、以下の関連記事で紹介しているので、ぜひ併せて読んでいただきたい。

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なぜ、タイではコンパクトセダンが人気?

バンコクオートサロン会場裏 バンコクオートサロンの会場裏では、連日カーミーティングが開催。タイの若者たちが自慢の愛車に乗って集まっていた(筆者撮影)

日本では、「セダン=おじさんのクルマ」というイメージが定着しているが、タイでは「セダン=若者のクルマ」という正反対の答えが返ってきた。従来、タイでは税金の安いピックアップトラック、またピックアップトラックをベースにした「PPV(Pickup-based Passenger VehicleまたはPassenger Pickup Vehicle)」というジャンルのSUVが人気だった。

今もその人気は変わらずだが、都市部に住む若者は「もっとスポーティで、スタイリッシュなクルマに乗りたい!」と乗用車を求める声が強まっている。とはいえ、日本に比べれば物価も安く、ミドルセダンに手が届かないユーザーも多い。でもハッチバックのコンパクトカーは見栄えが悪い。そこでコンパクトセダンが好まれているのだ。