目には見えない「カルチャー」という資産をいかに豊かで魅力的なものにできるかが、日本企業の未来を決めると言っても過言ではない。そのためには、カルチャーを経営のど真ん中に据えなければならない――。

『現場力を鍛える』『見える化』など数多くの著作があり、経営コンサルタントとして100社を超える経営に関与してきた遠藤功氏は、「私たちがいまコントロールできることは、経営者と社員が一丸となり、健全で良質なカルチャーを手に入れることである」という。

このたび、組織の「土壌」である「カルチャー」を真正面から解説し、「組織を変える」「組織を劇的に強くする」方法を1冊にまとめた新刊『「カルチャー」を経営のど真ん中に据える 「現場からの風土改革」で組織を再生させる処方箋』が発売され、発売後たちまち大増刷するなど話題を呼んでいる。

その遠藤氏が、「『若手がぐんぐん育つ組織』をつくる3つの秘訣」について解説する。

成功する会社には良質な「カルチャー」がある

近年、日本を代表するような大企業で多発する不祥事を見て、なぜ日本企業はこんな状態になってしまったのか、私はずっと考えあぐねていた。

そして見えてきたのが、日本の会社の多くは、組織の「土壌」である「カルチャー」が劣化しているという大きな問題点である。

「カルチャー」とは、適切に整地化、肥沃化された「良質な土壌」のことで、強くたくましい「根っこ」(組織能力、ケイパビリティ)が育つために欠かすことのできないものだ。

(出所:『「カルチャー」を経営のど真ん中に据える』)

不祥事のあった会社の調査報告書で指摘される、「上にものが言えない、風通しが悪い、当事者意識がない、内向き、やらされ感、事なかれ主義、言ったもん負け……」といった「症状」は、不祥事を起こした企業に限らず、じつに多くの企業で発生している。

「劣化した組織風土」を刷新することが、日本企業の復活、再生のカギになるが、ダメな会社をいくら研究したところで、その道筋は見えてこない。組織風土を大切にし、良質な組織風土を醸成させ、維持している成功事例からヒントを探っていく必要がある。

今回、「カルチャー」を経営のど真ん中に据えることの重要性を感じるにつれて、成功する会社は、「健全で良質な組織風土」を醸成するためにさまざまな工夫をしていること、をあらためて再認識した。

個々人の能力ももちろん重要ではあるが、それ以上にここで大切になるのは「若手をみんなで育てていく組織風土」である。

「良質なカルチャー」を築き、若手がチャレンジできる風土をつくることで、会社を成長させる。成功のカギとなる「秘訣」を、3つの事例から探っていく。