中国の新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来汽車(NIO)は9月7日、2022年4〜6月期の決算を発表した。注目すべきなのは、同四半期のEVの販売台数が直前の1〜3月期より減少したにもかかわらず、売上高は逆に増加したことだ。これは、同社のEVのラインナップが(第1世代から第2世代への)移行期にあり、4〜6月期はより価格の高いニューモデルの販売が増えたことに起因する。

具体的には、蔚来汽車の4〜6月期の販売台数は2万5059台と、1〜3月期より2.8%減少した。4〜6月期は新型コロナウイルスの局地的流行が中国各地で頻発し、自動車産業が集中する上海市や吉林省などの部品メーカーの生産が滞った。その影響により、蔚来汽車は(完成車の組み立てに必要な部品を十分確保できず)4月に一時的な生産停止を余儀なくされた。

一方、4〜6月期の売上高は102億9000万元(約2127億円)と、1〜3月期より3.9%増加した。そのうちEVの販売収入は95億7000万元(約1978億円)と、同3.5%増加。1台当たりの平均販売価格は38万1900元(約789万円)と、同6.5%上昇した。

研究開発費が膨らみ赤字拡大

なお、蔚来汽車の4〜6月期の純損益は27億6000万元(約570億円)の赤字であり、損失額は1〜3月期の1.5倍超に拡大した。その要因について同社は、4〜6月期に研究開発費として前年同期の2.4倍の21億5000万元(約444億円)を投入した影響を挙げた。研究開発部門の人件費の増加に加えて、新製品や新技術の開発コストも上昇したとしている。

蔚来汽車はEVのラインナップを急速に増やしている。4〜6月期に販売したのはSUVの「ES8」「ES6」「EC6」およびセダンの「ET7」の4車種。このうちET7は、2022年3月末に納車を開始したニューモデルだ。同社はその後、SUVの「ES7」とセダンの「ET5」の2車種を7〜9月期に投入。ES7はすでに8月末から納車が始まり、ET5は9月末に納車を開始する予定だ。

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これらのうちES8、ES6、EC6の3車種は第1世代のプラットフォーム(車台)で開発されたモデルであり、ET7、ES7、ET5は第2世代となる。

蔚来汽車のCEO(最高経営責任者)の李斌氏は、「第2世代のプラットフォームはより高い利益率を実現した」と説明する。同社は(新型車の連続投入により)7〜9月期に3万1000台〜3万3000台の納車を目指している。

(財新記者:余聡)
※原文の配信は9月8日

著者:財新 Biz&Tech