日産自動車を代表する小型ハッチバック車「マーチ」が歴史に幕を下ろす。すでに各メディアでも生産終了が報じられたが、日産自動車の広報に確認したところ、それは真実であった。現行車は、タイの工場で生産されているが、その製造ラインも整理されだしているようだ。

40年前に産声を上げた初代マーチ

1982〜1991年に生産された初代マーチ(K10型)(写真:日産自動車)

そんな40年にわたって愛され、生産され続けたマーチは、1982年に誕生した。開発責任者は、のちに「スカイラインGT-R」を復活させたプリンス自動車工業出身の伊藤修令である。

直列4気筒ガソリンエンジンの排気量は、1.0Lで、こうした車種を当時は「リッターカー」と呼んだ。競合は、ダイハツが1977年に発売した「シャレード」だろう。こちらは直列3気筒という独特なエンジン形式を採用していた。のちにマーチは、1.2Lエンジン車も追加し、これにより、トヨタ「スターレット」との競争力も得た。

マーチR モータースポーツ参戦用に開発されたマーチR(写真:日産自動車)

小型ハッチバック車の初代マーチは、身近な価格で販売され人気を得た。しかしそれだけでなく、身近な車種でありながら運転も楽しめる1台として、マーチには高性能エンジンを搭載するターボエンジン車が設定された。さらにモータースポーツ参戦へ向けた「マーチR」、それと同様のターボとスーパーチャージャーによるダブルチャージを採用した「スーパーターボ」なども誕生する。

ほかにも1980年代後半には、バブル景気の後押しにより、初代マーチを基にした派生車として、「Be-1(ビー・ワン)」や「PAO(パオ)」、「Figaro(フィガロ)」といった、外観の造形を大胆に変えた車種も生まれた。

Be-1 1987年に発売され、限定台数を超える多くの受注が殺到した「Be-1」。パイクカーと呼ばれるジャンルを確立(写真:日産自動車)

こうして初代マーチは、10年間販売され続け、2代目へモデルチェンジする。