前回のコラム「アメリカの『夏の楽観相場』はいつまで続くのか」(8月19日配信)では、アメリカ株が反発局面だった中で、株高のピッチが早すぎる可能性を指摘した。

期待しすぎていた市場

その後、8月末にかけて株式市場は反落に転じた。この下落要因はいくつかあるだろう。最大の理由は、同国のFRB(連邦準備制度理事会)の早期政策転換を先読みしていた株式市場の過大な期待が、8月下旬のジャクソンホール会合でのジェローム・パウエルFRB議長の発言などを受けて剥落したことだとみられる。

その後、同国の代表的な株式指標であるS&P500種指数は9月初旬にかけて、4000ポイントを下回るまで調整した。下落後はFRBに関する悪材料がいったんは出尽くしと認識されたのか、アメリカの金利上昇が続く中で、9月7日以降に反発する局面もあった。

だが、12日に8月消費者物価が再び上振れたため、株価は再び大きく反落するなど、不安定な値動きが続いている。

実際のFRBの金融引き締め姿勢は、筆者が従前想定していたよりも強い。ジャクソンホール会合でのパウエル議長の講演には、利上げ幅を拡大させる直接的な文言はなかった。ただ、短い講演には「異例に大幅な」利上げを緩めずにインフレ鎮静化を最優先させる、という意思が強く込められていたとみられる。

こうした中で9月FOMC(アメリカ連邦公開市場委員会)での0.75%の利上げ継続とともに、利上げ到達点が4%近傍まで上昇するとの思惑が、8月後半から債券市場で強まった。