若い頃、二輪車に乗り、ライフスタイルの変化により一度、車両を手放した、もしくは乗らない期間が永らくあった人が再び二輪車に乗り始めるとリターンライダーと呼ばれる。ここ数年、そのリターンライダーが増えている。

リターンライダーの現役時代は1980年代から1990年代前半だから、ちょうどバブルの栄枯盛衰とも重なる。右肩上がりの販売台数は日々進化する走行性能はもとより、オンロード&オフロードモデル、大・小スクーターなどあらゆるジャンルの二輪車が支えた。紛れもなく成熟期であり、当時の二輪車市場は輝いていた。

ライダー歴34年の筆者(50歳)のまわりにもリターンライダーは多い。彼、彼女らは自身が輝いていた10〜20代をともに過ごした二輪車に特別な感情を抱きやすい。収入もそれなりに増えた今であれば、若い頃は憧れるだけだったBMWやハーレー、そしてドゥカティなど輸入車にも手が届く。

もっとも輸入車の多くは新車価格で200万円を優に超えるが、四輪車ほど手間や維持費が掛からない。四輪車のような車庫証明は必要ないし、自宅に駐輪スペースが確保できれば出費も抑えられる。バイク保険や各種税金も四輪車に比べればリーズナブルだ(それでも高いが……)。

扱いきれるパワーと車体構成がリターンライダーに人気

「バイクを乗り継いできた大人の、革ジャン姿が似合うようなスポーツモデル」(開発責任者談)として誕生したホンダの大型スポーツバイク「HAWK 11/ホーク・イレブン」に試乗した。速さをウリにするレーサーレプリカ系とは異なり、扱いきれる(実際には扱いきれないが)パワーと車体構成がリターンライダーの心に響き、販売は好調だという。車両本体価格は139万7000円だ。

「HAWK 11は国内市場専用モデルです。ホンダで定評のある並列2気筒1100ccエンジンを搭載し、既存車のフレーム構成を見直しながら、専用にデザインしたカウルを前後にまとわせました」と語るのはHAWK 11の開発を担当された吉田昌弘さん(本田技研工業 二輪パワープロダクツ事業部 ものづくり統括部 完成車開発部 完成車研究課 アシスタントチーフエンジニア)。