中国の電池材料大手の華友鈷業(ホアヨウ・コバルト)が、ブラジルの資源大手ヴァーレとの協力関係を強化し、インドネシアでの事業規模を急拡大させている。

華友鈷業は9月13日、ヴァーレと共同でインドネシアにニッケル・コバルト混合水酸化物(MHP)の製造プラントを建設し、年間6万トンを生産することに合意したと発表した。

両社は5カ月前、同じくインドネシアで年間12万トンのMHPを共同生産することに合意しており、今回の発表はそれに続くものだ。華友鈷業によれば、ヴァーレとの協業は今後さらに広がる可能性があるという。

MHPは(ニッケル・マンガン・コバルトが主成分の正極材を用いる)三元系のリチウムイオン電池の中間原料だ。EV(電気自動車)の動力源である車載電池の製造に欠かせない素材の1つであり、需要が急速に高まっている。ヴァーレはインドネシアのソロワコ・ニッケル鉱山の採掘権益を保有しており、華友鈷業はそこで産出されるニッケル鉱石を加工してMHPを生産する。

米フォードとも協業

華友鈷業とヴァーレは、インドネシアの別のニッケル鉱山でも協業している。両社は2022年4月、現地のポマラ鉱山のニッケル鉱石をMHPに加工する合弁会社を設立。製造プラントは2025年に稼働する予定だ。

この合弁会社には、3カ月後の7月にアメリカの自動車大手フォードが資本参加した。華友鈷業、ヴァーレ、フォードの3社は、生産されたMHPをそれぞれの出資比率に応じて調達する権利を持つ。ただし、3社の出資比率は公表されていない。

本記事は「財新」の提供記事です

華友鈷業は2018年、中国のステンレス鋼大手の青山控股集団とインドネシアに合弁会社を設立し、現地のニッケル・コバルト資源の開発に参入した。その後、華友鈷業はインドネシアへの投資を拡大し、2022年のニッケル生産量は8〜9万トンを見込む。

これを資金面から支えるため、華友鈷業は2022年6月に第三者割当増資を実施して177億元(約3662億円)を調達。その7割弱の122億元(約2524億円)をインドネシアの関連プロジェクトに投入する計画だ。

(財新記者:盧羽桐)
※原文の配信は9月14日

著者:財新 Biz&Tech