参院選後初の与野党本格論戦の舞台となる臨時国会が10月3日、召集された。国民的批判が渦巻いた「国葬」実施から1週間。内閣支持率の下落にも歯止めがかからず政権危機が深刻化する中、岸田文雄首相は大型経済対策などで反転攻勢を狙うが、展望は開けていない。

臨時国会では、野党側がそろって「国葬強行実施」や「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と自民党の癒着」を厳しく追及し、併せて、物価高騰やエネルギー対策などでの政府の対応を「その場しのぎばかり」と厳しく批判する方針。そのうえで、次々に発覚する旧統一教会との密接な関係について、明確な説明を逃げ続ける山際大志郎経済再生相の更迭を迫ることで、岸田首相を窮地に追い込む構えだ。

「出直し解散」は現実的にありえない

ただ、国会召集直前の大手メディアの世論調査では、国葬や旧統一教会問題より物価対策を軸とする経済再生や社会保障での本格論戦を求める声が多い。しかも、内閣支持率の下落が続く一方、政党支持率では自民は堅調で、攻勢をかける立場の立憲民主党や日本維新の会の低迷が目立つ。

そこで、自民党内の一部に「出直し解散」を求める声もあるが、「自滅するだけで、現実にはありえない」(官邸筋)との見方が支配的。このため与野党は、それぞれ来年の統一地方選をにらんでの攻防に力点を置くことになるが、「国民不在の低レベルの闘いで、政治不信を加速させるだけ」(自民長老)との危惧も拭えない。