日本のスキー人口が激減、インバウンドも途絶え、多くのスキー場が青色吐息となっている。そんな中、来場者数が過去最多を更新し続けている話題のスキー場をご存じだろうか? 長野県白馬にある「白馬岩岳マウンテンリゾート」だ。

「土地が本来持っている『隠れた資産』を発見し、磨き上げる。ただそれだけを考え、さまざまなアイデアを実現してきました。その結果、わずか4年で100のテレビ番組で紹介していただき、スキー場なのに夏の来場者数が8倍になって、冬の来場者数を超えるという結果につながったのです」

そう語るのが、白馬岩岳マウンテンリゾート代表の和田寛氏だ。ずば抜けたアイデアを次々と導入し、「夏に稼ぐスキー場」を生み出した和田氏。その初の著書『スキー場は夏に儲けろ――誰も気づいていない「逆転ヒット」の法則』が刊行された。ここでは「100のテレビ番組で紹介される」という実績をあげた和田氏の発想の根源はどこにあるか、解説してもらった。

人の来ない「夏のスキー場」は「もったいない」

みなさん、「夏のスキー場」と聞くと、どういうイメージをお持ちでしょうか?

誰もいない草ぼうぼうの斜面に、古びたリフトの支柱が寂しく立ち並ぶ。街も閑散としていて、冬には賑わう民宿や食堂も営業は休止しており、シャッターが下りたまま。聞こえるのは虫と蛙の鳴き声のみ。

このような寂しい景色を想像される方が多いかと思います。もしかしたら、夏のスキー場に足を運ぼうと思ったこともないので、そもそも「イメージすらない」という方が大半かもしれません。

実際、国内には現在400〜500ほどのスキー場があると言われていますが、おそらく過半のスキー場は夏の営業をほとんどせず、上述のような寂しい光景が広がっているはずです。

私が経営に携わる「白馬岩岳マウンテンリゾート」(長野県北安曇郡白馬村)も、つい5〜6年前まではそのような状態でした。毎年7〜8月にゆり園を展開し、2万人前後のお客さんを集めていましたが、それ以外のグリーンシーズン(4〜11月)はまさに閑散期そのもの。お客さんの姿を見かけることはほぼありませんでした。