ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲングループ(VWG)は10月13日、中国のAI(人工知能)スタートアップ企業、地平線機器人技術研発(ホライゾン・ロボティクス)と合弁会社を設立すると発表した。先進的な運転支援システムや、完全自動運転のソリューションを共同開発する。

地平線機器人は2015年に創業し、AIを応用した半導体や自動運転アルゴリズムの研究開発を手がける。VWGは傘下のシステム開発会社のカリアドを通じて合弁会社に24億ユーロ(約3462億3120万円)を出資し、経営権の60%を取得する計画だ。

VWGはグループ内に(アウディ、フォルクスワーゲン、ベントレーなど)多数の完成車ブランドを擁している。同社は、それらのブランドの(異なる)需要に対応できるソフトウェア開発の統一プラットフォーム構築を目指しており、2025年前後に稼働させる計画だ。

近年の自動車開発ではソフトウェアの重要性がますます高まっている。とりわけ将来の自動運転車両では、「ソフトウェアがクルマを定義する」という考え方が業界の常識になっており、自動車メーカーの研究開発に変革を迫っている。

中国市場向けソリューションに特化

「自動車メーカーは、クルマに搭載したソフトウェアを車両の寿命が尽きるまでサポートし続けなければならない。それを外部のサプライヤーに丸投げするのは非現実的だ」。ある自動車向けソフトウェア開発会社の技術責任者は、そう指摘する。

例えばアメリカのテスラは、EV(電気自動車)に搭載するソフトウェアをすべて自社開発している。他の自動車メーカーも同様のことを望んでいるが、実現は容易ではない。前出の技術責任者によれば、VWはソフトウェア開発の課程で(リソース不足などの)困難に直面し、社外との協業強化を模索し始めたという。

本記事は「財新」の提供記事です

自動運転システムの開発について、VWGは中国以外の地域では自動車部品大手のボッシュおよび半導体設計大手のクアルコムと手を組んでいる。今回の地平線機器人との合弁会社設立は、中国市場向けソリューションに特化した協業だ。

VWによれば、合弁会社が取り組むプロジェクトには車載半導体の共同開発も含まれている。多数の機能を1つのチップに集約することで、システムの安定性向上とコストダウンを目指している。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は10月15日

著者:財新 Biz&Tech