岸田文雄首相が大ピンチに直面している。旧統一教会問題や物価高騰への対応での集中砲火、問題閣僚の“辞任ドミノ”も加わって、内閣支持率は続落した。しかし、国会混乱の最中の8日間にわたる東南アジアでの首脳外交では、自信満々で「外交の岸田」をアピールするなど、政権維持への強気の姿勢は変わっていない。

10月3日の臨時国会召集前後からの相次ぐ難題処理の拙劣さで、与党内からも「判断がすべて後手」(自民幹部)との批判が噴出。政局運営での岸田首相の求心力喪失が際立つことで、政界では「早期退陣論」も現実味を増している。

岸田降ろしの封じ込め戦略が奏功

にもかかわらず、岸田首相は「事ここに至っても自信と余裕の心境」(側近)だとされる。周辺によると、その理由は「衆院解散さえしなければ退陣に追い込まれることはなく、政権内部の“岸田降ろし”封じ込め戦略も効果が出ている」(側近)との判断からだという。

もちろん、超大型経済対策実施のための第2次補正予算の早期成立も含め、臨時国会での与野党攻防を乗り切ることが危機脱出の大前提。ただ、野党も補正処理には柔軟対応の構えをみせ、首相も「旧統一教会問題解決のカギとなる被害者救済法案で野党と妥協して今国会成立にこぎつける」(自民幹部)ことを狙っている。

ただ、こうした「前のめりの対応」(同)が自民党内の不信感を招き、同法案に警戒心を強める公明党とのあつれきも顕在化している。このため、首相周辺から「首相の独断が混乱を拡大させれば、自らの首を絞める」(官邸筋)との不安ももれるなど、今後の展開は極めて不透明だ。