ユーモアとは、面白くする「表現の工夫」。センスを磨くためには、普段から「ちょっと面白い表現」をしてみることでしょう。笑いには自虐やモノマネ、言い回しなど高度なパターンがありますが、高いレベルをねらわなくてもOK。

まんがで紹介した3つの工夫で、がんばりすぎず、少しだけ言い方を変えるうちに、センスも身についてくるはずです。

面白いことに気づきやすくなるには

ところでユーモアのある人というのは、「言葉の表現力が優れている人」でもありますが、それだけでなく、「面白いことに気づきやすい人」のことでもあります。

たとえば、街を歩いていて「ね、あの看板って面白くない?」と人が気づかないことを見つけたり、ファッション雑誌のサンダル特集を見ていて「このサンダルの形って、おしゃれなパンツに見える」と一味違った着眼点があったり。

職場で「2時過ぎに急に眠くなって、5時過ぎに急に元気になる」「上司が出張土産を買ってきた日は、1日限定でやさしくなれる」という法則を発見したり……。ちょっとした「面白いこと」にいち早く気づく人は、一緒にいて楽しいものです。

この才能は、天性のものではなく、間違いなく「面白いことに気づこう」とするクセからくるものでしょう。しかし、「どっかに面白いこと、落ちてないかなぁ」と見つけようとしても、気づくものではありません。それより、日常にあるものを、ほかの人にはない視点で見て、おかしさや滑稽さに気づき、新鮮なうちにそのネタを「面白くない?」とシェアする……そんなクセのように思います。

だから、ユーモア感覚が研ぎ澄まされている人は、1日に何度も、面白いことに気づきます。がんばる必要もありませんが、日常のささいなことを、「これってどういうこと?」「どうして、こうなるの?」「逆に考えたら……」と、愉快な視点で見ようとするだけでも、面白いことに気づきやすくなるでしょう。

著者:有川 真由美,Jam