アリババは2023年3月28日、主要事業を6つのグループと複数の単独企業に分割し、それぞれに高い経営の独立性を与える大規模な組織再編を発表した。

6グループの区割りは、前出のクラウド・インテリジェンス・グループのほか、国内EC事業の「淘宝天猫(タオバオ・Tモール)コマース・グループ」、ネット出前など生活関連サービスの「ローカル・サービス・グループ」、物流事業の「菜鳥(ツァイニャオ)スマート・ロジスティクス・グループ」、越境ECなどの「グローバル・デジタル・コマース・グループ」、動画配信などの「デジタル・メディア・アンド・エンターテインメント・グループ」となっている。

9月にグループCEOに就任した呉永明氏は、既存事業を精査して優先順位をつける考えを示した(写真は同社ウェブサイトより)

これらのうちクラウド・インテリジェンス・グループに関して、アリババは他の事業グループに先駆けて分離独立と上場を目指す方針を発表。フーマーフレッシュは単独企業として上場準備を開始していた。

ところが9月10日、当時のグループCEO(最高経営責任者)でクラウド・インテリジェンス・グループのトップを兼務していた張勇氏が、アリババの全役職から退任。代わってグループCEOに就任した呉永明氏が、クラウド・インテリジェンス・グループのトップも引き継ぐことになった。

コア事業に経営資源を優先投入

クラウド・インテリジェンス・グループの分離独立中止は、上述の経営トップ人事も影響した可能性がある。

決算報告書によれば、7〜9月期のクラウド・インテリジェンス・グループの売上高は527億1300万元(約1兆978億円)と、前年同期比3%の増加にとどまった。これは6大事業グループのなかで最も低い成長率だ。

呉CEOは決算説明会で、「今後は(個別顧客との)プロジェクト・ベースの受注を減らし、パブリッククラウドを中核に据えたプロダクトの投入を増やすことで、クラウド事業の売り上げの質を高めたい」と述べ、クラウド・インテリジェンス・グループの事業構造を見直す考えを示した。

その他の既存事業に関しても、呉CEOは「市場規模、ビジネスモデル、商品競争力に基づき、優先順位を整理していく」と述べた。

本記事は「財新」の提供記事です

コア事業に位置付ける部門については、経営資源を集中的に投じて研究開発を強化する。一方、ノンコア事業に振り分けた部門に関しては、事業の早期黒字化や外部からの資金調達などを通じて(潜在的な)資産価値の体現を図る方針だ。

(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は11月17日

著者:財新 Biz&Tech