都内の飲食店で正社員として働くAさん(31歳女性)。先日、一緒に働くアルバイトの2人と遊んだ際に「10月から最低賃金が上がるから自分の時給が1080円から1120円に上がってラッキーだ」という話をアルバイトのBさんから聞きました。

「アルバイトは時給だから最低賃金があってずるいな……」と内心思ったAさん。何だかその話が頭から離れず、自宅に帰ってスマホで調べてみると、“月給の場合でも最低賃金が適用される”ことを知ったのでした。

ただ、Aさんが勤めている飲食店の給与は、基本給に固定残業手当が含まれています。「実際にどうやって計算すればいいのかわからない」と、結局お手上げになってしまったのでした。

毎年10月頃に改定される最低賃金。政府が平均1000円を目指していたこともあって、毎年のように大幅なアップで2023年10月には全国平均1004円になっています。

この最低賃金は、先のAさんの言うとおり、時給者だけが対象ではありません。そこで今回は、月給者などの場合はどうやって計算をすれば自分の時給までたどり着くかを解説します。

地域格差220円、平均1000円のカラクリ

(1)2023年度(令和5年度)最低賃金の実情

毎年10月頃に改定される最低賃金。この最低賃金は2種類あります。①都道府県ごとに設定されている地域別最低賃金、②特定の産業(製造業、小売り、百貨店、スーパーなど)に設定されている特定最低賃金の2つです。

産業別の特定最低賃金は地域別最低賃金より高く設定されているケースがほとんどですが、該当する業種で働いている場合は、業種か地域のいずれか高いほうの最低賃金が適用されることになっています。

地域別最低賃金は2023年10月現在、ベスト5は1位が東京で1113円。順に神奈川県1112円、大阪府1064円、埼玉県1028円、愛知県1027円

ワースト5は、宮崎県897円、鹿児島県897円、沖縄県896円、徳島県896円、岩手県893円。最高の東京都と岩手県の差は220円となっています。