ここ数年で株取引を始めた方は、上場株式の配当や譲渡所得の申告も慣れてきた頃でしょうか。しかし今年、昨年と同じように申告すると、損をしてしまう可能性があります。課税方式の変更があるためです。

今回は、この重要な変更点について、『自分ですらすらできる確定申告の書き方 令和6年3月15日締切分』(KADOKAWA)から解説します。

「住民税の申告不要制度」がなくなった!

令和5年分の申告から、上場株式等の配当や譲渡所得などに係る課税方式について、所得税と住民税を一致させることになりました。

令和4年分までは、住民税の申告不要制度を利用して、所得税と住民税で異なる課税方式を選択することが可能でした。そのため、「所得税では配当所得を申告するが、住民税では配当所得を申告しない(申告不要)」という選択ができました。

しかし、令和5年分からは、所得税で「申告する」ならば、住民税でも「申告する」という選択をすることになります。

出典:『自分ですらすらできる確定申告の書き方 令和6年3月15日締切分』(P.3)

つまりこれは、所得税を申告すると、その内容がそのまま住民税の計算にも反映されるということです。

これによって何が起こるでしょうか?

人によっては、合計所得が増えるために、合計所得をもとに計算される国民健康保険料や後期高齢者の医療費の自己負担割合、保育料などが上がったり、本来は受けられたはずの節税に有利な控除が受けられなくなる可能性があります(下図参照)。

これらの影響も考慮したうえで、配当所得について「申告する」「申告しない」を選択する必要があります。

出典:『自分ですらすらできる確定申告の書き方 令和6年3月15日締切分』(P.67) ※市町村の規定や各人のケースによって金額は変わってきます。