政治資金規正法違反の裏金事件で自民党はボロボロ。岸田文雄政権の内閣支持率は2024年1月の朝日新聞の世論調査で23%と、2012年末に自民党が政権復帰して以降、最低の水準となっている。

そんな中、岸田政権の行く末をひどく案じているのが尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領率いる韓国政府だ。2023年3月、日韓外交の最大懸案だった徴用工問題で、韓国政府が解決策を明らかにした後、それ以前の冷え切った関係がウソのように政府間関係は改善した。

「ギネス級」異例の首脳会談数

8カ月あまりの間に公式の首脳会談だけでも7回開いた「盟友」の危機。天下分け目の2024年4月の総選挙が間近に迫り、尹大統領自身の足元も大きく揺れているが、それでも「岸田愛」は尽きない。

2023年9月、インドで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席した岸田首相と尹大統領は、同年8月のアメリカ・キャンプデービッドに続き、6回目となる首脳会談に臨んだ。

岸田首相が笑顔で、「今年6回目ですね」と水を向けると、尹大統領はこう切り返した。「年内10回を目指しましょう」。

この時点で10回の首脳会談を達成できる可能性はすでになかったが、11月にはアメリカ・サンフランシスコで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議の際、7回目となる日韓首脳会談を実現させ、打ち止めとなった。

頻繁にもたれた日韓の政治リーダーによる会談をして、韓国の尹徳敏(ユン・ドンミン)駐日大使は「ギネス級」とたたえる。日韓の外交当局者らによると、同じ1人の首相と大統領が1年に7回も公式の日韓首脳会談を実現させた例はないという。