「どうしてその年になるまで、恋愛をまったくしてこなかったの?」

斎藤章雄(仮名・当時47歳)に初めて面談したときのこと。私の問いかけに、穏やかな口調でこう答えた。

「僕には、勇気がなかった。恋愛に興味がなかったわけではなく、女性に話しかける勇気がなかったんです」

章雄は2015年2月に入会をし、7カ月半のお見合い活動をして現在の妻、弥生(当時38歳)に出会い、2カ月半の交際を経て、11月に成婚退会していった会員だ。女性とキスをしたのも、男女の関係になったのも、弥生が初めて。

恋愛経験ゼロのまま中年になる男性は多い

章雄のように、まったく女性と交際をした経験がないままに30代、40代、50代になってしまった男性たちは、意外と多い。彼らは“草食男子”という言葉でくくられ、まるで“恋愛に興味がない”ように語られがちなのだが、本当にそうなのだろうか?

もちろん恋愛に興味がない人もいるかもしれない。だが、それよりも章雄のように恋愛したくとも、“女性に話しかける勇気がない”“女性とかかわって傷つくのが怖い”と思って動くことができないでいる男性がいることもまた事実だ。

彼らは草食というよりは、むしろシャイなのだ。

この連載の取材をするため、1年ぶりに章雄に連絡を入れて会うことになった。待ち合わせのティールームに向かうと、章雄はすでに席を取って私を待っていてくれた。