外食チェーンとしては世界最大の規模を誇るマクドナルド。世界100カ国超に展開し、店舗数は3.6万店、全世界でのフランチャイズの売上高は690億ドル(約7兆円)に達する。

レイ・クロック(1902〜1984年)は52歳でマクドナルドと出会い、同社を世界最大の外食チェーンに成長させた。またソフトバンクグループの孫正義氏やファーストリテイリングの柳井正氏が敬服する経営者でもある。

7月29日(土)から角川シネマ有楽町ほか全国の劇場で上映される『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』は、レイ・クロックがどのようにマクドナルド兄弟に出会い、そしてどうやってハンバーガーの帝国を築き上げたのか。事実に基づき、創業当時の様子を描いた映画だ。

映画の見どころはどこか。そして何を考えるべきなのか。『マクドナルド 失敗の本質』(2015年、小社刊)の著作がある小川孔輔・法政大学大学院教授が解説する。

誰が本当の"創業者"なのか?

ハンバーガーは今や、日本人になじみの深いファストフードである。しかし、世界中の118カ国でハンバーガーショップを展開しているマクドナルドが、わずか60年の歴史しかない新しい企業であることは案外知られていない。

『ファウンダー』(原題:The Founder)は、マクドナルドがごく短い期間でどのように「ハンバーガー帝国」を築いていったのか、創業期の約20年を描いた物語である。映画タイトルのファウンダーは、創業者という意味である。脚本を書いたロバート・シーゲルは、このタイトルに、どちらが本当の創業者なのか?という微妙なニュアンスを込めている。

ハンバーガーを効率的に調理する作業方式を編み出し、それをセルフサービスで素早く提供する方法を発明したマック&ディック・マクドナルド兄弟なのか? それとも、兄弟のハンバーガービジネスを全米に広げるために、本部とFC店の役割分担を明確にするフランチャイズのシステムを利用した希代の起業家レイ・クロックなのか?

答えは映画を鑑賞しながら考えるとして、オープニングの場面からストーリーを簡単に紹介してみよう。