7月30日、メジャーリーグの人気球団ボストン・レッドソックスの本拠地球場「フェンウェイパーク」で、2007年のワールドチャンピオン10周年の式典が開催された(現地時間)。当時の優勝メンバーで今も同球団に在籍しているのはダスティン・ペドロイア選手のみ。だが、この日は昨年まで主軸として活躍したデービッド・オルティス氏ら当時の所属選手たちも、ファンとともに祝おうと集結。日本からは、中継ぎ投手として優勝に貢献した岡島秀樹氏も駆けつけた。

レッドソックスは2004年、2007年、2013年と、2000年以降ワールドチャンピオンに3度も輝いている。しかし、2004年までは86年もの間その偉業を達成することができなかった。それは、1919年オフにベーブ・ルースを10万ドルで宿敵ニューヨーク・ヤンキースに放出したことによる“バンビーノ(ルースの愛称)の呪い”とまで言われていた。

その2004年、86年ぶりに呪いが解けて世界一になったチームを熱い眼差しで見つめる男がいた。大物投資家としても知られるレッドソックスのオーナー、ジョン・ヘンリー氏である。

大の野球ファンだったヘンリー氏は、現在、イチロー選手が所属しているマイアミ・マーリンズ(当時はフロリダ・マーリンズ)のオーナーを経て、2002年に人気球団ボストン・レッドソックスを買収。これが、レッドソックスを中核の一つとするスポーツ企業「フェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)」が踏み出した大きな一歩となった。FSGの名は、サッカーファンの方も耳にしたことがあるかもしれない。英サッカーチーム「リバプールFC」の親会社でもあるからだ。

レッドソックスと組んできた日本企業たち

レッドソックスには岡島氏のほかにも野茂英雄氏など、これまで幾人もの日本人選手が所属してきた。

そのこともあり、これまでレッドソックスに対しては、日本からも名だたる企業がスポンサーとして名乗りを挙げてきた。ニコン、コニカミノルタ、ソニー、船井電機、KUMON、三菱電機、森永製菓と、その業種もさまざまである。企業ブランドでは、ユニクロ(ファーストリテイリング)とENEOS(JXTGホールディングス)が名を連ねる。今年からは製薬会社のサノビオン社(大日本住友製薬の米国子会社)がその仲間入りを果たした。

だが、もちろん、日本企業だけではない。FSGは米国のニューイングランド(ボストンのあるマサチューセッツ州などアメリカ北東部6州の総称)からスタートし、現在では全米はおろか、欧州やアジア、アフリカにも勢力を及ぼすグローバル経営を実現しているのだ。

いずれは日本の球団も目指すべきなのかもしれない、レッドソックス親会社FSGがグローバル規模で展開する画期的なスポンサーシップの手法と日本企業のスポーツに対する協賛活動(スポーツ・スポンサーシップ)の可能性について、本稿で紹介していこう。