2016年5月に放送されたNHK総合テレビの特集番組「欲望の資本主義〜ルールが変わる時」は大きな反響を呼び、2017年3月にはその内容を書籍化した『欲望の資本主義〜ルールが変わる時』が刊行された。

次いで2017年には初回と同じく「ルールが変わる時」が、2018年には「闇の力が目覚める時」が放送され、そちらも2018年4月刊行の『欲望の資本主義2 闇の力が目覚める時』にまとめられた。

今回ご紹介する『欲望の資本主義3: 偽りの個人主義を越えて』(丸山俊一 + NHK「欲望の資本主義」制作班 著、東洋経済新報社)は、それらに次ぐ第3弾である。

今回はスコット・ギャロウェイの言説に焦点を当て紹介

今回、本書の中心となるのは、2019年新春に放送した「欲望の資本主義2019 〜偽りの個人主義を越えて〜」からのアンソロジーである。

国民国家、市場原理、すべてを超越して巨大化するGAFAと呼ばれる巨大プラットフォーマーへの懸念、そして仮想通貨(暗号通貨)、ブロックチェーンへの期待と不安が交錯する今、資本主義の行きつく先はどこなのか、その原点にあった誤り、ねじれとは何だったのか、その後の流転の中、我々はどうすべきなのかを、考えようという企画だ。(「はじめに GAFA、仮想通貨……、そして今、市場とは? 資本主義とは?」より)

ちなみに本シリーズが「欲望」をキーワードに据えているのは、欲望こそが資本主義を駆動する力のすべての発端であるからだという。しかもそれは、リアルな姿をつかめないものでもある。だからこそ、「欲望の総体たる資本主義はどこへ向かうのか」を解き明かそうとしているのである。

そんな本書は、5人の識者の言葉によって構成されている。今回はその中から、起業家・大学教授のスコット・ギャロウェイの言説に焦点を当ててみたい。言うまでもなく、ベストセラーとなった『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の著者。GAFAに対して辛辣な姿勢を持ち、巨大プラットフォーマーの功罪を、独自の視点に基づいて語り続ける人物である。