最近になって、こうした就職氷河期世代を対象にした求人が徐々に始まっているが、宝塚市が3人の募集枠で就職氷河期世代に的を絞った求人を行ったところ、1635人もの応募があったというのは有名な話だ。結婚どころではない経済状況の人が多く、仮に結婚したとしても子どもを2人、3人ともうけるような状況ではないのかもしれない。

遅きに失した感は否めないが、90万人を割った出生数を考えたとき、この就職氷河期世代の人々の生活レベル全体をいかに上げるかが、出生数減少の歯止めになるのかもしれない。

ただ、これは日本特有の事情と言える。海外にはなかった「バブル崩壊」が就職氷河期世代を誕生させたわけだが、この世代特有の問題というかたちで日本の出生数低下を説明するには無理がある。

というのも、バブル崩壊がなかった海外でも、数多くの国がここに来て少子化に悩み始めたからだ。国連がまとめた「世界人口推計2019年版」によると、世界人口の高齢化が進み、さらに人口が減少している国の数が増えていると指摘している。

あのアメリカも人口減少時代に突入?

「世界人口推計2019年版」によると、2010年以来、人口が1%以上減少している国と地域が27に及ぶそうだ。場所によっては、低い出生率に加えて移民流出率の高まりによって、人口が大きく減少している国や地域が多くなっている。

しかも、人口減少は今後さらに進むと国連は想定している。2019年から2050年にかけては、55の国と地域で人口が1%以上減少すると予想。そのうち26の国と地域では10%以上の人口減少になる可能性を指摘している。たとえば中国では、同期間で人口が3140万人、約2.2%減少すると予想している。

ちなみに、今後10年間で「移民が増えて人口減少を部分的に緩和する」ことが見込まれている国の中に、国連は日本を挙げている。日本も深刻な人口減少の波が押し寄せており、移民の受け入れによって人口減少は多少緩和されるとみているわけだ。

いずれにしても、世界はいま人口減少に直面し始めた国が目立つようになってきた。人口面では優等生だったアメリカもその1つだ。2018年の出生率が史上最低を記録したことがニュースとなり、アメリカ国内の10〜20歳代の女性の出生率は、1986年以来最低の水準になった。