もともとアメリカは、高い出生数に加えて、移民の流入などでG7の中では唯一人口が増えている国として知られていた。それがまた強い経済成長率の証とも見られていた。アメリカの合計特殊出生率は1.76人(2017年)で、 日本の1.42人よりも高いものの、フランスやイギリスよりも低くなっている。主要国の合計特殊出生率は次のとおり(2017年)。

●フランス …… 1.90人
●スウェーデン …… 1.78人
●英国 …… 1.76人
●アメリカ …… 1.76人
●ドイツ …… 1.57人
●日本 …… 1.43人
●イタリア …… 1.32人

アメリカでは、10代の若者の出生数が史上最低を記録。現在は、50代半ばから70代前半のベビーブーマー世代の子ども達が出産期を迎えており、日本同様に第3次ベビーブームとはならない状況と言われている。

アメリカの特徴は、ほかの国よりも比較的結婚年齢が早いものの若くして子どもを持ちたいと言う意識が徐々に薄れつつあるようだ。その背景にあるのが、日本同様「経済的不安定」と言われる。

アメリカは、日本以上に労働者に厳しい環境で、いつクビを切られるかわからない。育児補助金や育児休暇を取りやすい環境も整備されていない。加えて、若い世代が大学進学のための学生ローン、結婚してからの住宅ローンの返済などに追われており、借金漬けの中で出産を決心するには時間がかかり、結局「晩産化」が進んでいると言われる。

経済成長著しいアジアも少子化へ?

一方、国連の推計では世界の人口は2050年に97億人に達したあと、2100年頃に110億人で頭打ちと予想している。現在の世界人口が77億人だから、今後30年でまだ20億人増加すると予想しているわけだ。

確かに、相変わらずアフリカ諸国など経済的に疲弊している国での出生数は極めて高い。世界的な規模で見れば、人口減少よりも「人口爆発」のほうが深刻だといわれている。

地球全体では、毎日22万7000人が生まれている。世界の人口が100億人になったときに、地球温暖化や食糧不足はどうなるのか……。人口爆発は、貧困がもたらす副産物だと言われているが、発展途上国では人口爆発に悩み、先進国は少子化に悩む。そんな構図と言っていいのかもしれない。

ところが少子化は、先進国特有のものと考えられていた現象だが、ここにきて発展途上にある国、あるいは最近になって先進国のグループに入ってきた国も出生率の低さが目立ってきた。