「ブックオフなのに本ねぇじゃーん! フィクションは本だけにしとけよ」

脳裏に焼き付くほどのインパクト――。寺田心さんを起用したブックオフのCMが、「2019 第59回 ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」において、最高賞である総務大臣賞/ACCグランプリを受賞したことが、昨年10月に発表された。

芸達者かつ表情豊かな熱演ぶりに、思わず“寺田心さん”と言いたくなるほど(いや、実際には寺田心さんで間違いないのだが)、2019年を代表するCMであったことは間違いない。このCMによって多くの人が、「ブックオフは本以外も取りそろえている」ことを認識し、頭の片隅にずっとあったであろう“ブックオフ=清水國明さん”というイメージは、空の彼方へと飛んでいってしまった。

テイストをガラリと変えたことで、生活者に鮮烈なメッセージと印象を残した代表的なCM、そんなふうに捉えることもできる。CMのテイストを変える、というのはとても興味深いものがある。例えば、テイストは大きく変わらないまでも、長年のイメージキャラクターを刷新することで、視聴者に新しい印象を与えるパターンもあったりする。

イーオンは石原さとみ→永野芽郁にチェンジ

長らく石原さとみさんがCMキャラクターを務めていた英会話のイーオン(AEON)は、昨年末から新たなCMキャラクターとして永野芽郁さんが就任。ネット上では、「え!? 石原さとみさんから永野芽郁さんに変わったんだ!」、「石原さとみさんを見慣れていたせいもあってなんか新鮮だな」という具合に、大胆なイメージチェンジに驚きの声も上がっているほどだ。

その一方で、1978年の発売から41年以上にわたって「赤いきつね」のテレビCMに出演し続けている武田鉄矢さんのようなパターンもある。同商品は、“同じ俳優を起用したテレビCMを最も長い間放映し続けている商品”として、ギネス世界記録に認定。CMのテイストを変えない息の長いロングセラー商品が存在することを教えてくれる。

こうして改めて商品・サービスのCMを見てみると、“突然ガラリとテイストやキャラクターを変えるもの”と、“同じキャラクターを長年にわたって起用し続ける≒長寿CM”という、大きく分けて2つの潮流があることに気が付く。ガラリと変えること、そしてあえて変えないこと――、双方の利点とは一体何なのだろうか?