2013年春季から2019年秋季まで、7年14季にわたって東京大学運動会硬式野球部監督を務めた浜田一志氏。新型コロナ禍で日本社会が大きく揺れる中、野球界にどんな展望を持っているのか。

(前編「東大野球部・前監督が選手に伝えた7年間の金言」はこちら)

「野球離れ」が収まらない理由

東京大学監督に在任中、野球の普及活動も行ったが「野球離れ」を実感したという。

「毎年、5、6カ所で野球教室を行いましたが、野球をやる子は確かに減っていますね。いろんな原因があると思いますが、1つには情報がいっぱいあるからでしょう。野球教室でもお母さんに『どのチームがいいですか』と聞かれます。

昭和の時代はとにかく近所の野球チームに入るしかなかったけれど、今はいろんなチームがある。商品アイテムが増えると迷った挙句に購入しない客が増えるという法則がありますが、迷った挙句に野球をやらない子が増えているんじゃないでしょうか。

もう1つは、ほかのスポーツの選択肢が増えていることも大きいと思います。僕は、小、中、高校生、18歳までの骨が成長している時期の子供は『野球人口』ではなく『スポーツ人口』という概念でくくればいいと思う。

北海道では冬にスキー、夏には野球をやる高校があるようですが、こういうシーズンスポーツだけでなく、“二刀流”ならぬ“二競技流”が全国で広がればいい。小学校でも、月曜はサッカーで、木曜は野球でもいい。同じシーズンで2つのスポーツをやればいいと思う。

今やっても『なにやってるんだ、サッカーやっているくらいなら素振りしろ』と言われそうですが、“二競技流”が浸透すれば、野球の競技人口の問題も解決するんじゃないでしょうか」

とくに小学生の野球では「指導者の質」が問題視されている。