ついつい飲みすぎてしまいがちなお酒。お酒による酔い過ぎを予防するには「トマトジュースが効果的」と話すのが、近著に『代謝がすべて』がある内科・循環器科の専門医、池谷敏郎氏です。お酒で摂取したアルコールは、どう処理され、体にどんな影響を与えているのでしょうか。健康を維持しながらお酒を楽しむために知っておきたい「アルコールの代謝」について、池谷氏が解説します。

「運動後」はビールよりタンパク質多めの食事に

お酒と代謝にまつわる話で、まず、残念な真実をお伝えしましょう。筋トレなどの運動を行ったあと、頑張った自分へのご褒美にお酒を飲む人は多いのではないでしょうか。汗を流したあとの一杯は、格別に美味しいですよね。運動とビールがセットになっている人も少なくないと思います。

でも、筋トレ後にアルコールを摂取すると、筋トレによって促進されるタンパク質の合成が邪魔されてしまうことがわかっているのです。

筋トレ後のアルコール摂取の影響を調べたある研究では、筋トレ後にプロテイン(タンパク質)のみを摂取する場合と、プロテインとアルコールを一緒に摂る場合で、タンパク質の合成率がどう変わるのかを調べました。

このときのアルコール量は「体重1kg当たり1.5g」だったので少し多いのですが(体重60kgの人で、ビールを中瓶4本半ほど)、結果はと言うと、プロテインのみを摂ったときに比べて、アルコールも一緒に摂った場合には、タンパク質の合成率が約2割強下がっていたのです。

筋トレを行ったあとにタンパク質を摂れば、相乗効果でタンパク質の合成が高まります。ところが、トレーニング後の一杯は、せっかくの効果を邪魔してしまうのです。効率よく筋肉をつけるには、筋トレ後のご褒美はビール(お酒)ではなく、タンパク質多めの食事にすべきですね。