結婚相談所では、プロポーズをし、それをお相手が受けると “婚約成立”とみなし、 “成婚退会”となる。そこから結婚(入籍)に向けての準備に入るのが通例だ。お互いの親に挨拶に行ったり、住む場所を決めたり、結婚後にどう家計をやりくりしていくのかを話したり。しかし、そうした具体的な行動や話をしているうちに、2人の気持ちに相違が出てきて、結婚が破談になってしまうことがある。

仲人として、婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声と共にお届けしていく連載。今回は、「一方的な婚約破棄を経て、新たな幸せをつかんだ男性」の話をつづる。

婚約から一転、価値観の相違で破談

昨年夏ごろ、義昭(仮名、39歳)は、お見合いから交際に入った弓枝(仮名、36歳)と順調に関係を育んでいた。そして、秋には義昭がプロポーズをし、それを弓枝が受けて成婚が決まった。

私の相談所では、成婚が決まるとささやかではあるが、お祝い会をしている。2人のスケジュールと私や事務局の女性のスケジュールを調整して、食事会を開催する。今回は、事務所近くのイタリアンレストランで開催する予定でいた。

ところが、お祝い会の4日前になって、義昭から連絡が来た。

「僕が体調を崩してしまったので、お祝い会を延期にさせてもらえませんか?」

そこで、予約していたレストランをいったんキャンセルし、義昭の回復を待って、新たに日程を組むことにした。

ところが、お祝い会がキャンセルになった翌週に、弓枝を担当していた相談室から、「今回の話は破談にしたい」という連絡が来た。

「えっ? こちらは何も聞いていないので、寝耳に水なのですが、結婚を取りやめにしたいという理由は、何ですか?」

私は、驚いて聞いた。

「彼女が言うには、結婚の話し合いをしていくうちにすべての話がかみ合わず、お相手様の素も見えてきて、一緒に生活していくうえでの価値観が合わないことに気づいたそうです」