2019年の「R-1」では粗品が優勝し、「M-1」との2冠を達成。名実ともに若手芸人の代表格となった。霜降り明星は2019年から冠番組の「霜降りバラエティ」、そして「爆笑問題のシンパイ賞!!」(ともにテレビ朝日)などが始まり、後者は20年には「爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!」とリニューアルされプライム帯に昇格となった。

加えて、「第7キングダム」、「お笑いG7サミット」(ともに日本テレビ)、「霜降りミキXIT」(TBSテレビ)といった第7世代を中心としたレギュラー番組も立ち上がった。

さらにHIPHOPユニット・CreepyNutsが数多くのバラエティ番組で活躍し、EXITとの冠番組「イグナッツ!!」(テレビ朝日)を持つに至った。もともと、せいやの「第7世代」発信は「お笑い」に限定せず、ユーチューバーやスポーツ選手、ミュージシャンなど他ジャンルを含めて同世代でまとまってやろうという趣旨だったことを考えると、当然の帰結だったのかもしれない。

お笑い芸人がバラエティ番組の中心だというのは、何も当たり前の話ではなく、1980年代初頭の「MANZAIブーム」あたりから始まったことに過ぎない。元来、テレビはあらゆるジャンルの人たちをフラットに映すもの。より多くのこうした例が生まれることが期待される。

一方、この勢いに対して「第7世代、7〜8組だけのせいで、100組以上の芸人が路頭に迷ってる!」などと訴え対抗するのがニューヨークを筆頭とした「6・5世代」と呼ばれる芸人たちだ。年齢的にギリギリ第7世代に入れず、脚光を浴びる順番を抜かされたと攻撃する“対・第7世代論争”を仕掛けることで鈍い光を放っている。したたかに第7世代という枠組みを利用することで、お笑い界を活性化しているのだ。

価値観や倫理観をアップデートせざるをえない

一組や二組のスターが現れても、時代は動かない。MANZAIブームも第3世代も、そして90年代後半の「『ボキャブラ天国』ブーム」も、何組もの才能と個性が揃ったときに初めて時代は動いていく。第7世代は、久々にやってきた変革期と言えるだろう。

何よりも大きいのは、旧態依然とした価値観の刷新だ。2020年、コロナ禍の間にさまざまな問題が表出し、否が応でも価値観や倫理観を急速にアップデートしなければいけない時代となった。そこに自然と問題意識を持っている若い世代がマッチした。

一時「人を傷つけない笑い」という言葉がもてはやされた。その言葉自体はナンセンスのようにも思えるが、例えば必要以上に対立構造を作らない、安易な容姿イジりをしない、多様な生き方を認めるといったことは、現在のテレビというメディアで笑いをより多くとり、視聴者に受け入れられるためには不可欠な意識だ。

逆にそうしたことを意識していない言動をすれば、それがノイズとなって「笑えない」という事態にもつながってしまう。