やり直すと言ってもすぐに再婚したかったわけではない。実家にも職場にも近い場所で賃貸マンションを借り、興味がある分野の資格勉強も始めた。

「人生初の1人暮らしでしたが、母の親戚がみんなで応援してくれました。母は5人きょうだいでとても仲がよく、おばやいとこたちにはいつも励ましてもらっています。仕事の面でも目標を見つけて毎日が充実しました」

仕事と生活でゆとりができると、「誰かと一緒に暮らしたい。家庭を作りたい」と思ったりする。前向きな寂しさと表現できるかもしれない。幸子さんも4年ほど前から再婚を望み始めたが、職場などでは出会いにくいと感じていた。

「私は生徒の話はよく聞く教師だと自分では思っていて、『優しい先生』と言ってもらうこともあります。でも、注意するべきときはハッキリとした言葉で注意するので、男性にびっくりされることが少なくありません」

どの世代でもふんわりした雰囲気の女性が一般的にはモテやすい。何でも明瞭に言語化する幸子さんはその対極にあるのだ。身近な人を大切にできる本当の優しさと、男性が恋心を持ちやすい「優しい感じ」は必ずしも一致しない。

「そのときに晩婚さん記事で東京世話焼きおばさんの縁結びを知りました。アットホームな雰囲気のNPO法人というのがいいし、通勤経路に近くて便利です」

筆者はこの結婚相談所と親しいので幸子さんの感想はうれしい。しかし、誰にでも勧められるわけではない。個人経営の飲食店と同じく、小さな結婚相談所にはよくも悪くも個性がある。多くの場合は代表者の性格や得意分野が色濃く反映されるため、利用者との相性で「合う」「合わない」に極端な差が出るのだ。

もし結婚相談所を利用する場合は、「成婚率」や料金などのデータだけでなく、カウンセラーのブログ記事を読むなどしてその結婚相談所の方針や考え方に共感できるか否かを判断材料に加えるとよいと思う。筆者は小さな結婚相談所を訪問する連載を続けているのでよかったら参考にしてほしい。

なんと1人目のお相手が結婚相手に

幸子さんは2019年末に入会して、なんと1人目のお見合い相手である真一さん(仮名、59歳)と結ばれた。ただし、入会して最初の1カ月間は誰ともお見合いしなかったと幸子さんは明かす。

「お見合いする相手に求める条件として、大卒以上の学歴と年齢差は自分より5歳前後以内であることをお伝えしてありました。私自身は大学院卒です。結婚相手とはお互いの仕事の話もしたいので、私の仕事内容もわかってもらいやすい学歴と、話が合いやすい年齢層がいいと思いました。自由恋愛ならばそんな条件は設けませんが、(見知らぬ相手と出会うことになる)結婚相談所での出会いだからです」