さらに言えば、情報過多のこの時代、“会えない時間は愛を育てる”のではなく、“会えない時間は愛を消す”だけだ。

敬浩に1カ月半会えなかった間に、佳子は、3つのお見合いをしていたし、その中の1人とは交際に入って、すでに2回のデートをしていた。

ネット婚活が主流である現代は、いくらでも新しい出会いを求めることができる。動ける人は、どんどん出会っていくし、デートを重ねていく。会う回数の多い相手の情報がどんどん脳に上書きされていき、一度お見合いしただけの人のことなど、あっという間に忘れ去られてしまう。

そういう意味でも、婚活市場で出会い、そこから結婚へと結びつけていきたいなら、期間を区切って素早く動き、相手の人柄を知り、“好き”と言う気持ちを積み立てていかなければならないのだ。

なぜ期間を区切るのか

これは私がよく会員たちに言っていることだ。

「婚活は期間を区切ることが大切なんですよ。なぜなのか。ダイエットをしたり、体を鍛えたりするときのことを考えてみましょうね」

ただ、“痩せたい”“体を鍛えたい”と思っていても、体型は変わらない。目の前にあるおいしそうなものを見ると、痩せたい気持ちがあっても、ついつい食べてしまう。“次の食事は軽くすませよう”“明日の食事で調整しよう”と思うが、結局は次の食事も、明日の食事もいつもどおり食べてしまう。

あの有名なトレーニングジムのCMを思い出してほしい。トレーナーの指導のもと、期間を区切り、食事制限と筋トレをして、ブヨブヨだった体が見事に均整の取れた肉体美に生まれ変わる。期間を区切るからこそ、そこに組み込まれたプログラムを実施して、結果を出そうとするのだ。人は、ゴールを設定すると、ゴールが見えないときよりも何倍も自分を奮い立たせる力が湧くし、集中力を発揮する。

婚活も然りで、期間を区切りその間、どうしたら結婚までたどりつけるかをスケジューリングし、その期間は集中して、婚活をする。時には、プロ(仲人や婚活カウンセラー)の力を借りるのもいいだろう。もちろん、自分で動ける人たちは、婚活アプリや婚活パーティーなど、出会いの場にどんどん出向き、意中の相手に出会えたら、自分の中てどうしたら結婚まで辿り着けるかを、スケジューリングしていけばいい。

その期間は、仲人の経験則からいうと100日あれば十分だと考えている。

ただ、ここで忘れてはいけないのは、結婚に辿り着くことができるのは、相手の気持ちがそこにあってのことだ。相手の気持ちを置き去りにして、スケジュールを遂行しようとしたとたん、 すぐに“交際終了”が来るだろう。つねに相手の気持ちがどこにあるのか、それを確かめ、寄り添いながら進めていかないといけない。

また、ダイエットの場合、目標は達成したもののもとの生活に戻れば、あっという間にリバウンドしてしまうだろう。しかし、婚活はゴールが結婚なので、目標達成をした時点で、婚活期間に立てていたスケジュールは終了となり、婚活期間中のエネルギーは、もう使わなくていい。

さらに言うなら、恋する情熱がなだらかな愛に変わるのが結婚なので、あとは、落ち着いた気持ちで、相手に寄り添い、思いやり、日々を紡いでいけばいいのだ。

著者:鎌田 れい