知り合いの仲人さん50人以上に電話しまくって、「同居が条件なんです。ほかはなんでも言うことを聞きます。何もしなくていい、上げ膳据え膳でいい。精いっぱい大事にさせてもらいます」とお願いしても、「同居ですか? 同居はね、今どき難しいですね」と返されてしまう。

同居にかろうじてOKが出るのは、港区や渋谷区といった超都心の二世帯住宅、しかも外階段の場合だけ。都内でも郊外だと避けられます。

「隣に住んでね」と言われて結婚を断念

女性会員の明子さん(仮名)は、マンションを1棟所有している男性ともうすぐ成婚というところまで行きました。ところが、最後に男性の両親にあいさつに行ったときに、「うちにお嫁さんに来てくれるのね。うちは4階だから隣に住んでね」と言われたそうです。明子さんはトボトボと帰って来て、この結婚を辞める決意をしました。

彼女は、男性の実家と同じマンションはもちろんのこと、同じ駅を使うのも嫌だと言います。生活圏が同じだと、近所の人に目撃されて「あそこのうちのお嫁さん、派手な服を着ている」などとうわさされるおそれがある。だから5駅以上離れて暮らすことを希望していました。

明子さんの気持ち、私もわかるような気がします。私も20年ほど前、雨が降っていたので傘をさして帰宅したら、夫に「今日、すごい派手な傘をさしてたんだってね」と言われたことがあるからです。近所の人から言われたんでしょうね。

20年前とはいえ東京・世田谷でそのような状況です。地元で農業や商売を営んでいるような人であれば、ちょっとしたことでも簡単に姑の耳に入って、息子の耳に入って、本人に聞かされる。たまったものではありません。

地域によっては「嫁の分際」というイメージもまだ残っています。昨年秋、東北の男性と結婚した千葉県出身の女性、恵美さん(仮名)。車のナンバーが千葉県内だったため、近所の人が「関東からコロナを持ってきた」と騒ぎだして、村八分状態になってしまいました。

しかも、二世帯住宅で暮らしていたのですが、ことあるごとに姑から「うちのしきたりは⋯⋯」「うちに嫁いできたのだから⋯⋯」と口を出される。精神的にまいってしまい心療内科に行ったら、姑が「うちの嫁はおかしい」と近所に言いふらし、あげく恵美さん本人に対しても、ここには書けないような罵声を浴びせたそうです。