あまりにひどい罵詈雑言に、恵美さんは耐えきれず夫に「助けて」と泣きながら電話で訴えたところ、夫は仕事を放り出して帰宅。母親を叱ってくれました。ところが姑は「なんで仕事中にいちいち嫁の一言、二言で帰ってくるの!」と逆ギレ。そんなことが何日も続いたとか⋯⋯。

結婚前にこの姑にあいさつに行ったときは、ごく普通のお母さんだったそうです。ところが結婚した途端に「嫁の分際で」「嫁にもらってやったのに」「稼げもしないのに」「食べさしてやっている」「○○家に入ったんだから」といった暴言の連続だったそうです。

今どき都市部の姑は、自分の娘よりもお嫁さんを大事にするぐらいですが、地域によってはまだ嫁は家の所有物のような扱い。自分が若いときには姑にいじめられたのだからあたりまえ、という考えもあるようです。

価値観を新しくしないと問題は解消しない

女性は昔と違って働いている人が多いので、価値観が変わってきています。それは地域に限らずどこの女性も同様です。しかし、男性、あるいは男性の家族の意識は変わっていない。

とくに、閉鎖的な地域では新しい風がなかなか入らず、時が止まってしまいがち。このままでは女性は「都市のほうが、居心地がいい」と出ていってしまい、都市で出会った男性と結婚して地元には戻らず、地元の男性はあまるばかりです。

農家では結婚したら妻に農業を手伝わせるところもあるようですが、農業をしたことがない人に「結婚したからやれ」と言うのは無理な話です。妻は妻ですでに自分の仕事があるでしょうし、農業をやる、やらないは妻の選択に委ねるべき。嫁は所有物ではないのです。

男性側の意識を変えるしかない。地域を問わず、今の日本の結婚はどういうものか、今の独身の女性はどんなことを求めているか、理解する必要があります。

コロナ禍でリモートワークが定着し、都市部の住まいを引き払って地元に帰るUターン、あるいは田舎暮らしをしてみたいとIターンする人も出てきています。そういう人たちが流入することでまた変化があるのではないかと期待しています。

著者:植草 美幸