糖尿病は、厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」によれば、疾患が疑われる人を含めると、日本人の5〜6人に1人が罹患(りかん)している、いわゆる国民病です。

さらにこの調査では、「食事習慣に関心はあるが改善するつもりがない」人は全体の25%、「関心もなく改善もしない」人は13%にのぼりました。この原因としては、仕事や家事が忙しく時間が取れない、そもそも生活習慣を変えることが面倒などが主にあげられます。

確かに、糖尿病は少しずつ進行するため、テレビなどで「糖尿病は心筋梗塞を起こすので危険です!」などと言われても、いまいち危険性に対する実感がわかないかもしれません。

しかし、糖尿病は直接命に関わる病気になるような段階の前から、生活の質(QOL)が下がる症状が出ることを知っておく必要があります。

血液中に大量の糖が含まれている状態が「糖尿病」

まず、糖尿病とはどのような病気なのでしょうか? 「糖尿病」という名前から、尿の中に糖が出てくるもの、と思われがちですが、正確にはそれだけではありません。

本来、食べ物を消化したり、体内で産生したりすることで作られた糖(グルコース)は細胞のエネルギー源として、血液に乗って全身に行きわたりますが、糖が多すぎると細胞に取り込みきれず、血液中に糖があふれている状態となります。この血液が腎臓でろ過され、尿糖として身体の外に排泄されているのです。すなわち、尿だけでなく血液中に大量の糖が含まれている状態を「糖尿病」と呼びます。

このように、血管内に糖が多く含まれている(=高血糖)と、血管の壁が傷つきやすくなり、さらに脂質が血管内にたまりやすい状態にもなります。その結果、血液が通る道が狭くなり、かつボロボロになっていきます。これが進行すると動脈硬化となり、心筋梗塞や脳梗塞といった致命的な疾患につながります。