高血糖による血管の障害はジワジワと進行するため、心臓や脳の太い血管では症状が出るまでに時間がかかりますが、手足の先や眼、そして腎臓にあるような細い血管にはすぐに影響が出てきます。

まず手足の先ですが、手足の指の感覚が鈍くなる、足の裏にジンジンしたしびれが起こることが特徴です。さらに、足の指先の血管が障害されることで血流が行かず、しかも感覚が鈍くなっているため症状の進行に気づかず、気づいたときには足の指が壊死していることも稀ではありません。進行すると、指や脚を切断することになる場合もあります。

眼では、とくに「網膜」に障害が起こります。網膜は私たちが眼でみた映像を映す、カメラのフィルムのようなはたらきをしています。網膜には細い血管が張りめぐらされているため、糖尿病によって障害が起こると視力低下が起こり、進行すると失明の危険性があります。糖尿病による網膜の障害は、現在も日本人の失明の原因の1、2位を争っており、決して他人事ではありません。早期発見によりレーザー治療をすれば進行を止められるため、医師から眼科受診をすすめられたら視力低下などの自覚症状がなくてもすぐに病院へ行きましょう。

もうひとつ、腎臓については、尿を作る「糸球体」という場所に障害が出ることで腎臓の機能が低下します。症状としてはむくみや強い疲労感が出るほか、進行すると自分で身体の老廃物を排泄できなくなり、透析によって人工的に老廃物を出さなければならなくなります。この状態になると(程度によりますが)週2〜3回、クリニックに通って透析を受けなければならず、とくに働く世代では生活の時間が圧迫され、非常に負担が大きくなります。

糖尿病を予防するには?

それでは、こうした症状を避けるためにはどのような予防法があるのでしょうか。

まずは自分の状態を知るために、職場や自治体の健康診断を受けましょう。健康診断の結果項目は一見複雑ですが、私の過去記事【いまさら聞けない「健康診断の結果」の見方】に糖尿病に関係する数値はどこを見ればよいかを解説していますのでそちらも参考にしていただければと思います。