義孝は、私に言った。

「今の僕は、蒼子さんへの気持ちが育っているし、ここで交際を辞めたくはないです。“決められた規則を破って成婚しても、幸せにはなれない”というのは僕も思っていますし、もしも彼女と結婚することになったときには、僕が彼女の成婚料を彼女の相談室に払います」

そして、彼女は休会したようだった。そこからも2人は会っていたようだったが、ほどなくして義孝に、33歳の女性から、お申し込みがあった。それが、今回成婚が決まった亜由美(仮名)だった。

亜由美の申し込みを受けて見合いしたのだが、その後、交際に入ってからは、どんどん亜由美に引かれていき、蒼子との付き合いは、自然消滅的に終わった。

婚活では、女性もどんどん動いていくことが大事

亜由美は、これまで義孝がしてきたどの見合い相手よりも、交際に積極的だった。婚活市場にいる女性は、男性の動きに自分を合わせようとしている人が多い。連絡が来なければ連絡を入れない。誘われれば出ていくが、自分からは誘おうとしない。待ちに徹している。実際にそのほうが婚活は楽だ。

亜由美は、LINEのレスも早かったし、デートの別れ際には、「今度はいつ会えますか?」と必ず聞いてきた。そして、3回目のデートの帰り道に、義孝に聞いてきた。

「手をつないでも、いいですか」

3回目のデートを終えて、私に連絡を入れてきた彼が言った。

「亜由美さん、見た目もすごい可愛いじゃないですか。これまでの僕の婚活の足取りを検証すると、こんなに可愛い女性が僕に積極的になってくれたことがない。スムーズにいきすぎていて、このまま進んでいいのか半信半疑なんです」

「こちらが彼女に夢中になった途端、バッサリと振られる」そんなことも考えたようだ。恋愛経験がないと、急速に前に進んていくことが怖くなり、進もうとする気持ちにブレーキをかけてしまう。