なぜ足の血行が悪いと、足のトラブルが起こるのでしょうか。それは、人間が立って歩く生活をしているからです。人間が立っているとき、足は心臓よりもはるか下にあります。当然、心臓から送られた血液は、重力に引っぱられて戻りにくくなります。足には、重力に逆らって血液を心臓に送り出すための原動力がなさそうに見えます。けれども、血液は無事に足から心臓へと戻っていきます。

足をきちんとケアするためには、足の血液を心臓に送り返す仕組みを知っておくことが大切です。ここで、押さえてておくべきポイントが2つあります。

・ふくらはぎの筋肉が心臓と同じ働きをする
・静脈に逆流防止弁がある

歩いているとき、ふくらはぎの筋肉は収斂と弛緩を繰り返します。すると、そこに挟まれた静脈内の血液が押されて、上方向に送られます。このように、ふくらはぎの筋肉は、動かすことで、足の血液を心臓に送り返すためのポンプのような働きをします。ふくらはぎが「第2の心臓」と呼ばれるゆえんです。同時に、静脈内の弁が、血液が重力に引っ張られて下方向に逆流するのを防いでいます。

静脈の逆流防止の「弁」は壊れやすい

多くの人が、動脈と静脈は同じような管でできていると思っていますが、それは違います。動脈は、心臓の力強い拍動で送り出される血液を受け止めるために、弾力に富み、とても丈夫にできています。一方、静脈は、動脈に比べると薄くできていて、わずかな圧力の差で血液を心臓に戻せるような作りになっています。

そして、動脈と静脈の最も大きな違いは「弁」の有無です。静脈には血液の逆流を防ぐための弁がついています。

動脈は心臓の力強いポンプとしての圧力を受けていますが、静脈にはそれがありません。そのため、血液が逆流せずに心臓まで流れるように、静脈の中には逆流防止の弁があります。この弁は両足で100個くらいあります。

静脈の弁は膜のような組織なので、あまり丈夫ではありません。強い力が長時間加わると、簡単に壊れてしまいます。しかも、爪や皮膚とは違って、いったん壊れてしまうと再生することがありません。

静脈の弁が壊れると、その部分で血液の逆流が起こり、血液がたまってしまいます。そして、静脈が膨張したり、蛇行したりする病気が「下肢静脈りゅう」です。

下肢静脈りゅうは、足がむくんだり、痛くなったり、だるくなったり、コブのようなデコボコができたり、足の表面に見苦しい模様が浮かんだり、さまざまな症状があります。