頭皮がにおう人と、におわない人はどこに違いがあるのか? 吉木伸子さんの新刊『美容皮膚科医が教える大人のヘアケア再入門』より一部抜粋・再構成してお届けします。

においの原因は「皮脂」にあり

頭皮のにおいを気にする人がとても多いようです。頭皮のにおいのもとは、何でしょう。人体でもっとも皮脂が多いのは「頭皮」です。皮脂が空気で酸化されたり雑菌で分解されたりすると、においを発します。つまり皮脂が多い人の場合、その皮脂を長時間洗わずに放置すると、においのもとになります。

よく「汗くさい」といいますが、じつは、汗は無臭です。汗をだらだらかくサウナの中が、くさいということはありません。額に汗が流れたときに、それを手にとって、かいでみましょう。何もにおいはしないはずです。

しかしたとえば、運動して全身汗をかいたあとの、スポーツウェアなどは、におうかもしれません。それを「汗くさい」とよくいいますが、それはじつは、汗のにおいではなく、体から出た皮脂のにおいです。

運動して体温が上がると、背中などの皮脂腺が多いところから皮脂がたくさん分泌され、それがにおいのもとになります。

汗をかくと汗くさくなると思って、夏は1日2回洗髪するという人もたまにいますが、それでは洗いすぎです。洗いすぎれば、頭皮が乾燥して、かえってフケの原因になることもあります。

汗が気になったときはシャンプーを使わず、湯だけですすげばOK。汗は「水溶性」なので、湯だけで落ちます。シャンプーで洗うのは1日1回までにしましょう。

頭皮は常に皮脂が多い部位なので、脂性の人でなくても、常に地肌は皮脂でおおわれています。シャンプーして皮脂をとっても、通常は6時間もたてば皮脂は再び地肌をおおうので、そこに鼻を近づけてかげば、誰でもある程度のにおいはします。

また、指で頭皮をこすってそのにおいをかげば、脂っぽいにおいがするのが普通です。つまり頭皮がまったくにおわない人はいないし、どんなに洗っても完全に無臭にはなりません。

周りの人ににおわなければよい、と考えましょう。髪の根元がべったりするほどの皮脂を1日以上放置すれば周りにもにおうほどになりますが、そうでもないかぎりは周りの人にまでにおうことはないはずです。