老舗が多いペットフード企業に対して、伸び盛りなのが周辺ビジネスだ。「ペットは家族」という意識が浸透し、ペットホテルやしつけ教室といった手厚いサービスが続々と登場している。

代表的なのが高額な医療費をカバーするためのペット保険業界。シェア過半を占めるアニコムホールディングスは上場しており、業績、株価ともに拡大傾向だ。アニコムHDを筆頭に、動物病院やトリマーなどさまざまな企業が台頭している。

ただ、ペット関連を専門とする上場会社は少なく、アニコムHDのほか、専門商社エコートレーディング、高度医療を専門にする日本動物高度医療センターなど数社に過ぎない。

「家族」意識が浸透し周辺サービスに活気

これは近年市場が成長しているとはいえ、市場規模が比較的小さいため、そもそも大企業の一部門がペット関連事業を手掛けるにすぎないか、独立系の多くが大手の傘下に入ったためだ。

2005年には日用品卸大手あらたが、ペット関連品の専門商社最大手ジャペルを買収。最近でも2020年に日清製粉グループ本社が傘下の日清ペットフードをペットラインに譲渡している。保険では独立系だった日本アニマル倶楽部が2019年にSBIインシュアランスグループの傘下に入るなど、成長市場を取り込むべくM&Aが盛んだ。

盛り上がりを見せているペット関連業界だが、課題もある。ペットショップで子犬や子猫など生体販売を行っていることから生じる問題だ。

業界地図の「オススメ情報源」でも取り上げた書籍、『「奴隷」になった犬、そして猫』(太田匡彦著、2019年、朝日新聞出版社)では、こうしたペットブームの陰で起きている繁殖や店舗販売の問題について、ビジネスモデルを含めて丹念に迫っている。

もし、ペット関連業界の別の側面を知りたい場合は、ぜひ一読すべき本といえるだろう。