──自律的な働き方を、自分なりの意義や価値を見つけ“自分事”として実践することとすると、テレワークは好環境だったはずでは。

自分に合った仕事の進め方を見つけられていれば有効です。ただ現状は、自分で仕事に創意工夫を加える「ジョブ・クラフティング」の余地がなかったりする。みんな真面目にやりすぎるんです。義務感だけの「真面目さ」では、今は成果が出ていても、時間とともにストレスや創造的思考力低下でパフォーマンス悪化が懸念される。自らの能力を発揮すべく真剣に仕事を楽しむ状態を「遊び」とすれば、今後の競争優位の源泉は仕事における遊びだと思います。

仕事もプライベートも両方豊かにしたいなら、仕事時間が苦痛、というのはちょっと嫌ですよね。会社から多くの資源を提供され、自分の能力や可能性を高めていくフィールドがあるのに、受け身スタンスで従うだけでは人生における機会損失。自分がより価値を感じられるものにしていったほうがいい、と私自身は思っている。

いきなり大目標は掲げないほうがいい

──何から始めればいいですか?

神谷俊(かみやしゅん)/1983年生まれ。法政大学経済学部卒業後、大手人材サービス会社入社。2014年同大学院経営組織研究科修士課程修了。16年当社創業。20年リモート環境下の「職場」を研究するバーチャルワークプレイスラボ設立。面白法人カヤックやロボット開発のGROOVE Xなどで外部アドバイザーも。(撮影:今井康一)

小さな興味を大切にする。これは重要かも、面白そう、こんなことやってみたい、など感じるところがあればまず動く、人に会う。本を読む、調べてみるなどして新しい情報に触れ、自分にちょうどよい刺激を得ることで面白さは膨らんでいきます。大事なのは、小さな興味、小さなアクション、ちょうどよい刺激。それなら日々の仕事中にたくさんあるよね、という話。いきなり大目標は掲げないほうがいい。目標に向かって計画的にいこうとすると大体つまずく。

──能力と挑戦のレベルがほどほどに均衡するのがいい、と。

よくあるケースが、部下のモチベーションを高めるために、上司があえて高い目標を投げること。部下からすればむちゃ振りだったりするし、上司の指示では自分事化しにくい。小さなアクションを積み重ねて自分の興味を育て、次の課題がある程度見えてきたらできることからやっていく。やりながら次の挑戦を考えていくくらいがちょうどいい。

小さな成功体験を好循環させていくために、アクションによって得たことを自分なりに整理・蓄積して、負荷のない程度に学ぶことを習慣化する。アクションと学習の反復がカギです。